このたび、ライティングさんを「広告がウザい版」と「広告を表示しない版」の2通りに分け、「広告を表示しない版」を有料版として売り出すことにしました。
デジタルコンテンツの有償頒布は始めての経験です。
かなり右往左往してしまいましたが、無事販売を開始することができました。

無料でさえ使われないものが有料で使われるわけがない

ライティングさん、自分で言うのもなのですけど、われながら結構よくできたソフトだと思っています。
興味があれば、まずは無料の「広告がウザい版」をお試しくださいね。
広告がウザい以外は、全ての機能を制限なく、期間も限定せず使えます。

β版から使っていただいている知人には、「お金を取れるレベル」というありがたいお言葉をいただきました。
しかし私は、ずっとライティングさんを無料で配布してきています。
無料配布を選んできた理由は、2つあります。

ひとつは、どんなに良く出来たソフトでも、存在を認識されないことには使われない、という現実を知っていることです。
私は、自分で宣伝をして広めたり、客を掴むということができません。

もうひとつは、自分もWebライターを続けてきて、このお仕事があまり稼げない職種だと知っていることです。
ライティングさんは、自分が仕事をするうえで欲しい機能を盛り込んで膨らんできた、Webライティング支援エディタです。
ターゲットは当然Webライターです。
稼げないことを身をもって知っているのに、そんな同志からお金を搾り取ろうという気は起こせませんでした。
(※私に実力がないだけで、バリバリ稼いでいるWebライターの方もいらっしゃるのかもしれませんが……)

「ソフト作れるならそういうのでお金を稼げば~?」
「そういう会社に就職すれば~?」


なんて言われますけど、私、趣味で作りたいソフトを作ってるだけなのです。
「ソフトでお金を稼げる」「そういう会社に入れる」だけの実力はありません。

われながら良いものを作ったと思ったところで、前述したように、宣伝する力がなければ無料でさえ使ってもらえません。
有料ならなおさら使ってもらえるとも思えません。

これまでずっと無料で配布してきたものを、突然有料にするのは気が引けます。
かといって、無料版と有料版の差別化をはかるための機能の差をどこでつけるか、線引きも難しい……。


自慢のわが子を金の成るコンテンツにしてみたかった

どんなキレイごとを並べたところで、生きていくのにお金は必要です。

記事を書く時間を削ってまで作った、私が持っているコンテンツで最大のボリュームを誇る、このライティングさん。
有料版を作ってみても、いい、かな……? と思う程度には機能が膨らんでいました。

他人に負担を強いることなく、反感を買うことなく、ライティングさんに稼いでもらう手段はないものかと考え始めました。
まず、広告を掲載してクリックしてもらおうと思いついたのです。
これなら、Webライターの同志であるユーザーさんのフトコロは痛めないですみますよね。

スマホアプリなどで使われている手法を参考に、起動時のスプラッシュとして表示することにしてみました。
イザ実装して自分で使ってみたら、これがなんともウザイヤラシイwww
それが逆に、広告表示しないことがウリになるのでは? という発想のきっかけでもありました。

広告をガマンできる方はずっと無料版を使っていただき、広告を消したい方には課金をしていただく。
機能に差をつけないので、料金は100円と決めました。
たった100円課金すればウザイ広告は消えるし、たった100円さえ払いたくないなら広告をガマンすれば良い。
広告を消す手段も提供しているのだから、無料版ユーザーは広告がウザイことをガマンする方を自ら選んだ事になります。
それなら、広告のウザさも許してもらえるに違いない!
われながらイヤラシイ考えです。

ターゲットは狭い層・宣伝もしていないので広く知られることもない・課金されたところでたったの100円。
これで生活できるほど稼いでくれるとは期待はしていません。
1人課金してくれたら、うまい棒が10本買えるよ! くらいの意識だったりします。

自分語りは長くなるなあ……。


有料版のスタイルは決まった・価格も決まった・どこで販売するか

販売場所候補として最初に上がったのは、AmeroadとVectorです。
もともと、無料版を配布するために使っていた場所でもあります。


Ameroadを考える

Ameroadは、Twitterアカウントがあればすぐに使える所が気に入って、ライティングさん以外にも自作のデジタルコンテンツの配布に使っていました。
しかし、ライティングさんを知人に使ってもらおうとAmeroadの対象URLを教えたとき、「Twitterアカウントを持っていないのでダウンロードできない」という反応が返ってきたことがありました。
広く不特定多数に配布したいのであれば、さまざまなケースを想定する必要があります。
AmeroadはTwitterアカウントと紐付けする以外に利用する手段がありませんでした。
Twitterアカウントを持っていない方も存在する以上、ここは適切な場ではないと判断しました。

イマドキ、Twitterアカウントと連動するサービスって珍しくもありませんよね。
しかし、大抵はTwitterだけではなく、Facebookなど他のSNSアカウントも紐付け候補に入ってたり、さらには、そのどれとも連動せずサービス独自で会員登録することもできるという選択肢も用意されているものです。
なのに、現状Ameroadは、Twitterアカウントとの連動のみ。

Twitterアカウントを持たない方は「だったらいらんわ」と引き返してしまいますよね。
これはチャンスロスです。


Vectorを考える

Ameroadを気軽に利用しつつ、コンテンツとしてそれなりのボリュームが整ったものはVectorにも登録していました。
Vectorは有名・大手で古くから信用のある場所です。
入手するまでの手続きが面倒であるほど、「ならやっぱいらんわ」とチャンスロスになってしまいますね。
面倒な会員登録をさせることなくダウンロードさせられるVectorは、そういう意味でもソフトを配布するに最適な場所であるのです。

しかし、Vectorはバージョンアップの反映が遅いのが不便でした。
例えば、何かバグを見つけて、すぐに配布しているファイルを差し替えたいとき、Ameroadならファイルをアップロードした瞬間から即、配布ファイルが最新版になります。
一方、Vectorは申請をしてから(たぶん)人力で確認されて、それから差し替えが行われているようです。
人力によるチェックを行っているからこそ、安全なソフトを入手できる場として古くから信用を築いてきたのでしょうから、そこは不平不満を言うわけにはいきません。
とはいえやはり、配布場所をVector一本に絞ることはできませんでした。

そして、有料版を販売する場所として考えた場合にはさらに、Vectorではいけない理由がありました。
Vectorのシェアウェア価格設定は500円からになっていたのです。
私が販売したいソフトの価格は100円ですから、これはいけません。
いくらなんでも、広告を表示しないだけで500円はボッタクリすぎです。


さらに模索を続ける

個人がデジタルコンテンツのダウンロード販売をできるサイトは、調べるとたくさんありました。

ネットサービスに詳しい友人に相談したところ、無料で開設できるネットショップサービスSTORES.jpやJimdoオンラインショップなども紹介されました。
また、DLsiteは、同人誌などの二次創作が主流になってるものの、一応実用ソフトの登録もできるらしいです。


オンラインショップ作成サービスを考える

Jimdoは無料版だと支払いがPayPal経由しかないのがネックでした。
STORES.jpを見に行ってみたら、実際にサービスを使って開店しているネットショップの一覧がありました。
それがどれもこれもあまりにオシャレすぎて、ビビって引き返してきてしまいました。
私のようなダサ坊があそこで肩を並べるのは無理があります。


DLsiteを考える

DLsiteで100円のものを売ると、売り手に入ってくる金額は30円。
70円が手数料として取られているかたちになります。
(※現在は消費税8%込みで計算されているので、108円のもので32円)
手数料7割……!

これだけ手数料を搾り取られても、DLsiteには利点があります。
二次創作や同人要素の強いコンテンツを売るのなら、場所として強いのです。

そもそも、デジタルコンテンツを個人販売できるサービスは、登録者のほとんどが「売りたい側」です。
「買いたい側」は、わざわざ登録して、新着から買いたいものを探しません。
だから、売り手は、他の場所で客をつかめる力を持っている必要があります。
いざ販売の機会を得た時に、初めて、そのデジタルコンテンツ販売サービス内の自分の作品を登録しているURLへ、誘導します。
この流れを作り出せないなら、売れない。それが、ほとんどのデジタルコンテンツ販売サイトの現実です。

しかしDLsiteは、「買いたい側」も、買うために会員登録して新着から買いたいものを探します。
作品を登録するだけで、宣伝する力を持たない人間でも売る事ができる場として成り立ってるのが、DLsiteなのです。
高い手数料には、そのような空気感の場を作りあげてきた歴史への対価が含まれているのではないでしょうか?

ライティングさんは同人要素の強いソフトではないので、今回はDLsiteは除外します。
同人誌を販売したいと思ったときにはよろしくね。


さらにさらに模索を続ける

こんなページを見つけました。
100円のデジタルコンテンツ販売にかかる手数料比較|飛騨トマト屋|note
(※有料noteなんだけど、情報のすべてが公開されてたので見てしまいました。
結局自分で試行錯誤した末に決めたので課金してません、ごめんなさい)

ここによると、私が売りたいのは100円程度のソフトなので、noteかDLmarketが良さそうですね。


noteを考える

とりあえずnoteに会員登録して、規約や使い方などをチェックしてみました。
どうやら、扱えるデータ形式は画像・映像・音声・文章に限定されるようです。
zipファイルの販売には向いていませんね。
私が求めているのとは違う気がします。
一応、テキストnoteを販売し、課金しなければ見えない部分にダウンロードURLを書いておくという使い方はできそうなので、候補として残しましょう。


チャンスロスへのこだわり過ぎは足枷になる

ダウンロード者の気持ちを萎えさせるチャンスロスはできるだけ避けたいところではあります。
しかし、ここまでさまざまなサービスを検証してきて、会員登録なしで購入できるサービスはほとんどありません。
だったらせめて、新たに会員登録する必要が発生しにくいよう、多くの方が既に会員登録している可能性の高いサイトを利用したいとも考えました。
しかしその方面も、同人色の強い作品に限定したDLsitくらいしか該当サービスはないような気がします。
会員登録は妥協しましょう。


DLmarketを使ってみた

購入者は会員登録をするだけで買える・支払い方法もさまざまな方法から選べる・手数料もさほど高くない、ということで、DLmarketで販売してみることにしました。

しかし、イザ販売を開始してみてから、あることに気付きました。
購入者がデータをダウンロードできるのは、購入した日から1週間以内・10回以内という制限が書いてあったのです。エーッ!

Ameroadでは、一度購入したら、そのアカウントからは何度でも購入データの落としなおしができます。
もしろん、ファイルの差し替えがあったら、最新のファイルを。
ライティングさんは、自分でも仕事で使っています。
完成したソフトではありますが、新たに欲しい機能が出来れば、その都度追加しています。
これまでにも、何度もバージョンアップファイルの差し替えを行っていました。

有料版はバージョンアップをするたびにまた買いなおしネ、ではあまりにも強欲ではありませんか!
あわてて、購入者が出る前に出品を引っ込めました。
(※しかし後日、よくよく設定を熟読してみたら、高度な販売設定の項目でダウンロード制限に「1週間」「無制限」とあり、デフォルトが1週間であったことが判明しました。
DLmarketの名誉のためにお詫びして訂正します。)


ふりだしへ戻る

いろいろと吟味してきた結果、消去法でえらんだDLmarketなのに、ここがダメとなると、いまさらもう選択肢が残ってないよ……!
と悩んでいたら、ふと、Ameroadがそもそも海外で生まれたGumroadの類似サイトであったことを思い出しました。
なーんだ! Gumroadでいいんじゃね?
早速使い方を調べてみると…… ここは、URLを販売するだけのサイトなのですね。
自分でファイルをアップロードして、ダウンロードできるURLを用意しなければいけません。
保留にしていたnoteと同じ使い方をする必要があります。

……ん?
note?

そう、そもそもnoteを候補にあげたキッカケである前述のリンク先調べで、Gumroadも検証されていたのです。
そのうえで、100円のものを販売するのなら、noteかDLmarket、という結論が出ていました。
Gumroadは手数料の面で既に脱落していたようです。

さらに、Gumroadの隅々まで使い方やよくある質問などを熟読していると、ほかの問題も浮上しました。
言語設定を日本語にしてもちょいちょい英語が出てくるのです。
これは、きっと問い合わせも英語じゃないと通らないし、たぶん返信だって英語ですよね。
私は英語ができないので、ちょっと……。


結局Ameroadに落ち着いた

右往左往して結局ふりだしへ戻りました。
ほかのサービスを吟味してきて、改めて、Ameroadがいかによくできたサービスであるかがわかります。
  • 購入者は一度購入手続きをしたら、ファイルが差し替えられようとももう今後ずっとダウンロードすることができるので、バージョンアップをしやすい。
  • 日本人が運営しているので、ヘルプも日本語。問い合わせも日本語。そしてなにより、問い合わせへの応対が早い!
  • 自分でファイルをアップロードしてURLを用意しなくても、サイトサービスへ直接アップロードしてそのまま売ることができる。
  • 販売手数料は無料!
  • 販売商品登録数の制限もなし!
あれ?
これTwitterアカウントがないと購入できないっていう点を除いては最強じゃないですか?

一応、TwitterだけじゃなくてFacebookなど広く一般的によく使われているさまざまなSNS類のアカウントとの連動機能もつけて、かつ、どのアカウントとも紐付けせずに、Ameroad単体で会員登録して購入することも可能にしてくれませんかって要望は出しておきました。
システムの根本から大幅な改造をすることになるでしょうから、そうカンタンには実現できそうもありませんが……。

検索していると、いまだに「AmeroadはGumroadのたんなるパクリサイトで、Gumroadが日本語対応した今すっかり忘れ去られて話題にもあがらないwww」とかぬかす記事が見られました。
しかし、実際に売る側の立場に立って探してみると、どんな最新サービスと比較しても、忘れ去られたAmeroadほどかゆいところに手が届いたサイトはなかったのです。

というわけで、Twitterアカウント持ってない方にはゴメンナサイですけど、やっぱりAmeroadで売ってます。


選ばなかったサービスの選ばなかった理由まとめ

  • Vector
ファイル差し替えの反映が遅かった
最低価格が500円だった

  • オンラインショップ作成サービス
オシャレすぎて恐ろしかった

  • DLsite
手数料が高かった
同人色の濃い作品以外は場違いであった

  • note
zipファイルの販売に向いていなかった

  • DLmarket
使いこなせなかった

  • Gumroad
  • BASE
手数料が高かった

  • SPIKE
最低価格が300円だった


……と、このようにわりとくだらない理由もあったりするので、「こんなん別に問題にすることでもねーべ」と思う方はお気になさらずサービスをご利用ください。
「私が選ばなかった」だけで、サービスとして劣っていると決め付ける記事ではございません。


参考
100円のデジタルコンテンツ販売にかかる手数料比較|飛騨トマト屋|note